雨漏りと火災保険
雨漏りが理由で火災保険の支払はありません。同じ雨が原因でも、水害は、火災保険の支払い対象です(住宅火災保険、普通火災保険、団地保険は補償対象外。2010年の商品改定でこれらの取扱いを止めた損保が多い)。
「風、雨、雹(ひょう)もしくは砂塵(砂埃など)の吹込み、これらのものの漏入による損害」が火災保険の支払い対象になっていません。雨漏りは支払の対象になっていないのです。
そもそも雨漏りや吹き込みは一般には建物の老朽化などが原因のことが多く、この場合は事故性がありません。つまり予測されうる損害ということになりますので、通常これを火災保険で修復することはできません。
雨漏りや吹込み、火災保険の支払いが複雑なケース
築年数の古い木造の家屋で、大雨の日に、天井から水がポタポタ漏れてきたら、雨漏りと判断できます。次に、10階建の筑後25年の古いマンションの7階に住む人の専用部分の天井から、水が漏れてきたケースは、どうでしょう?考えられる可能性は
- 上の階の人がお風呂の水を漏らした
- 給排水設備に何か不備があった
- 陸屋根や外壁が老朽化して水が吹き込んで漏れてきている
上記の事由のいずれも保険による対応方法が異なります。
自分の火災保険ではなく第三者の保険対応になることも考えられます。陸屋根や外壁が老朽化して水が進入して、漏れてきているのであれば、雨漏りと同じですから、火災保険では支払い対象になりません。
共同住宅の場合はこうしたことが起こりえるわけです。また戸建ての場合でもコンクリート造などで屋根が陸屋根の場合、定期的に防水工事をしないと雨漏りのような事故は発生しやすくなります。
雨漏りの火災保険の審査基準
実際に雨漏りの被害があった場合、火災保険の調査、保険金が支払えるかどうかの審査基準はなにかを見ましょう。原因が雨漏りと最初から特定できれば、火災保険の支払いはありません。保険対応不可です。原因が特定できていない場合が、実はこれが問題になります。
特にマンションなどの共同住宅の場合は、水漏れには、さまざまな原因が考えられます。マンション管理組合などで加入する火災保険には、原因が特定できない場合の原因調査費用を付帯することが可能です。もし、こうした付帯補償がなければ、原因調査費用は自己負担になります。
火災保険で対応可能であれば、状況や被害金額によっては立会調査などがあります。つまり現地にきて現場や被害状況を見て損害確認を行うというものです。被害額が少額であれば写真見積などで対応するケースが多いはずです。
ポイントとしては原因が火災保険で対応できるものなのかということがすべてです。どのような建物かによってさまざまな対応が考えられます。加害者がいるような場合なら、損害賠償事案になりますので、相手との話し合いなども必要になります。雨漏りがあって原因が特定できていないのであれば、火災保険会社にアドバイスを求めましょう。
雨漏りへの対処の基本は予防が第一です。定期的の住まいの状況を見ながら補修や修繕をしましょう。費用は掛かりますが、結果的には自分のもっている不動産の資産価値が下がらないことが大きいでしょう。